会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ_斎藤正明著
会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ_斎藤正明著
本書では、マグロ船に乗った著者・斎藤さんが船の上での様々な経験を語っています。
いわゆるビジネス書というのは、「術系(仕事術や人脈術など)」と「マインド系(成功法則、自己啓発系)」に分かれますね。
どちらも、われわれの日常生活をベースにして書かれています。
が、本書はその舞台が船の上。
つまり、非日常での出来事が書かれています。
なので、ビジネス書的なことを読むことに加え、小説的な要素も含んでいるので、読んでいてすごく楽しめる本だと思います。
会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ (マイコミ新書)
■内容紹介
ある日、ひょんなことから、マグロ船に乗るハメになった会社員の私。一度、出港したら40日以上も陸地に戻ることはおろか、逃げ出すこともできない。病院もなく、遊興施設もなく、コンビニもない、陸上とは180度異なる船上での生活は、極度にストレスの溜まりやすい空間だが、そんな場所だからこそ、漁師たちのコミュニケーション術やストレス対処法があった。大自然に立ち向かい、常に命を懸けで仕事に取り組む漁師たちの口からは、時に重みのある人生哲学も語られる。船上で目にし、耳にしたこととは一体……。
内容(「BOOK」データベースより)
一度、出港したら長期間陸地には戻れず、逃げ出すこともできないマグロ船。病院もなく、遊興施設もなく、コンビニもない、陸上とは180度異なる船上の世界。そんなところで突然働くことになった会社員の私。きっかけは、ある日、上司から言い渡されたひと言だった。「お前はマグロ船に乗ってこい!」その命令を断ることができず、泣く泣く乗るハメになった私が、船上で目にし、耳にしたものとは一体…。
著者について
齊藤 正明(さいとう まさあき)
1976年生まれ。大学卒業後、バイオ系企業の研究所に就職。上司から「マグロ船に乗ってこい」と指示を受け乗船。漁船という閉ざされた空間にあったコミュニケーション術や仕事観に感銘を受ける。その後、職場の会議活性化のための研修を中心に行うネクストスタンダードを設立。かかわった会議は6,300時間以上。自由が丘産能短期大学でグループディスカッション対策講座も行う。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
齊藤 正明
1976年生まれ。大学卒業後、バイオ系企業の研究所に就職。上司から「マグロ船に乗ってこい」と指示を受け乗船。漁船という閉ざされた空間にあったコミュニケーション術や仕事観に感銘を受ける。その後、職場の会議活性化のための研修を中心に行うネクストスタンダードを設立。自由が丘産能短期大学でグループディスカッション対策講座も行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■レバレッジ・メモ
本書は、マグロ船で漁師さんや船長さんが語った名言を斎藤さんが咀嚼していく、という流れで展開していきます。
ここでは、自分的に目から鱗系の会話を拾っておきました。
「ええか、斎藤、おいどーらがマグロとりに行くとき、一番大事なことを知っているか?」
「いいえ」
「それは、『決める』ことど。おいどーらも、どこにマグロがいるかなんてわからん。…マグロが取れるかどうか、結局確率50%ど。それであれば、早めにかじを取った方がええ。ダメだったら次の漁場に移動する。決めた回数を多くすれば、漁ができる回数も増やせるからの」
人間はの、幸せの中にいるときは、幸せに気付かんもんよ。
マグロだって、海にいるときは自分の幸せにはきっと気づいておらんち。
おいどーらが釣り上げると、マグロはバタバタと大暴れしよる。
海から引き離されて初めて、海のありがたみがわかったんじゃねーんかの?
斎藤も、陸から離れて、陸にいられることのありがたみがわかたんじゃねーのか?
いいことがおきたら喜んで、いやなことが起きたら暗くなる。
それじゃぁ、犬と同じじゃねーか。
人間はの、感情をコントロールできるんだ。
マグロが捕れんときこそ、感情をコントロールしぇんと人間だめなんど。
斎藤は、そげーなことも分からんのか?本当にばかじゃのう。
「『努力』っちゅー言葉には、どっか『結果』と言う見返りを期待しちょるように聞こえるの。
でもの、努力はたいてい報われんのぞ。最初から報われる期待をして努力すると、『努力したのに…』と、すぐにあきらめよる。」
「じゃぁ、努力しない方がいいんですかね?」
「んー、…たいていの人の言う努力とは、3回に1回うまくいくことを望んでいるように聞こえるの。
マグロの場合は、単純な計算じゃが、100本の針に1匹のマグロがかかるくらいど」
いくら人間を磨いても、人間できないことばかりぞ。
おいどーも海に出ると、できないことばかりど。
『完璧』を目指せば目指すほど、自分にできないところが目立って落ち込む。
結果、完璧とはより遠くなるんど。
自分の悪ぃとこばっか見るやつぁ、他人に対しても悪ぃとこばっか見るんど
『失敗がない』というのは、長い目で見たときには一番の失敗になるんど
人はの、起きて目をひらいちょるからといって、見えるものを正しくは見ちょるわけではねぇ。
正しく見ちょかんと、目の前にチャンスがあってもそれに気づかず通り過ぎるんど。
斎藤は、自分の中に計器を持っちょるか?船は計器があるから、海の真ん中でも迷子にならん。
これは人間も同じど。
ただ、ぼーっと生きちょっては、計器もGPSもない船で漂流しちょるのと一緒ぞ。
『便利になれば幸せになる』、そんなん全部幻ど。
むしろ不便な方が、みんなで助け合ったりして、心の中に幸せを感じるし、難しいこともできるようになるんど。
■感想など
本書は、掛け値なしにおもしろかったです。
そして、ためにもなりました。
マグロ船といえば、借金が一気に返せるほど高給というイメージがあったのですが、それは昔の話だそうです。
今は月に30万くらいらしい。
ちなみに斎藤さんが乗船していたマグロ船は、そのご火災で沈没してしまったそうです。
やはり、危険と隣り合わせの職業ですね。
幸い当時の乗り組み員は、みんな無事だったそうで、何よりです。
というわけで、小説のようなビジネス書、これはぜひぜひ読んで頂きたい本だと思います。
■目次
はじめに
第1章 海の男はストレス知らず
乗船の覚悟を決めた船長の言葉
船酔いから学んだ幸せのありか
大しけの海でも動揺しない
マンタのジャンプと興味の扉
大海をコントロールしたがる人
努力の捉え方
2章 海と向きあえば自分がわかる
海では誰もが完璧になろうと思わない
漁師から教わった才能のありか
他人の評価は気にならない
クラゲにはクラゲの生き方がある
荒天があるから魚が獲れる! 落ち込むことの大切さ
勉強ができると判断力が鈍る?
第3章 海の男は仕事を楽しく変える
借金でマグロ船に乗ったことが人生を好転させた
つまらない仕事と尻拭い
仕掛けの場所を変える勇気
第4章 マグロを釣るために必要な考え方、ものの見方
きちんと見ないとマグロは金魚になる
海はシャチもマグロもどちらも育てる
目的地までのたどりつき方
マグロを高く売るための法則
不便だから何でもできる
第5章 基本に忠実であれ! 時に大胆かつ賢くふるまえ!
ケーキでマグロを釣るな!
釣り針塗装の戒め
自信があれば海賊は怖くない
偽情報を流す船
第6章 マグロ船で学んだ 人を活かすコミュニケーション術
海の男は物語で人を動かす
サメにかまれて叱られる
海の男は、話にいったん乗る
ギスギスしない人間関係のつくり方
どんなアドバイスも、海の広さで受け止める
港で愛される海の男の魅力
おわりに
参考文献
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